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また、北城老师的三生琥珀色

数秒と思われ

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数秒と思われ

やがて入場の時間となり、ホンジョウは(ルカらしき女子高生に出会えることもなく)人の波に流されるように館内に入場すると、迷わずそのまま指定された席へと着く。
そしてその後、しばらく目を凝らすようにして映画館中の客をチェックしていたのだが、ルカらしき(ピーコートを着た女子高生の)姿はどこにも見当たらなかった。
結局その10分ぐらいの休憩時間中にはルカらしき女子高生が彼の前に姿を見せることもなく、場内ではアナウンスと共に館内照明が暗転し始め、そのまま予告編の上映が始まってしまった。


これで上映前のタイミングはアウトってことか?

 

とホンジョウが思いかけたその瞬間だった、自分のすぐ右隣の席がまだ空席?なんていう重要なポイントを見逃していたことに彼は気づく。
そうか、もしかしてこの席に・・・?

と、彼が思いを巡らせたのとほぼ同時のタイミングで、その隣の席に誰かが座った。
ホンジョウは視線を正面の映像に向けたまま、意識を右隣の人物に集中する。
そしてチラリと右斜め下のその人物の足下を見た。

ジャバラのスカート、ハイソックスにローファー。
まちがいない!

女子高生だ。
ここは思い切って声を掛けるべきだろう・・・、と思いつつホンジョウがその行動を数秒間躊躇していたその瞬間、右隣の人物の顔がスーッと彼の耳元に近づくのがわかった。

ナオキくん、よく聞いて」

と、その声にホンジョウが全神経を集中しようとしていたまさにその時だった、画面の予告編からの大袈裟なバーンという効果音のせいで、彼女の言葉は断片的な暗号となって彼の耳に届いた。

な、なんだって?」
と言ってホンジョウがその卓悅化妝水右隣の方を振り向き、暗闇にぼんやりとルカらしき女子高生のシルエットが見えたように思えた・・・・、と、その時だった、彼の意識は深い井戸の底に吸い込まれるようにスーッと消えて行き・・・。

う、嘘だろ、ま、まさか?
また?
そして再び、何かからじわじわと覚醒する様なあの瞬間がおとずれることとなった。
おそらくは、ほんの数秒と思われる空白の時間・・・。
ゴトゴトと言う車両の振動。

ここは?
えっ?

って、ま、まさか。
そ、そんな・・・。

やはりそうか。
自分はまた・・・、あの丸ノ卓悅化妝水内線の車内にいる。
そしてどうやら今度こそ、あの一連のおかしな悪夢から完全に目覚めたのだろう・・・、そうホンジョウは確信している。
何故って?

その時の彼はあのルカとそっくりの女子高生をこの車両の中で見たこと・・・、そんな馬鹿げた幻覚がすでにその夢のスターティングポイントであったことを、今回ばかりははっきりと自覚していたからであった。
その日からホンジョウとヒカルは、毎日のようにごく自然とお互いのマンションを訪れるようになり、飽きもせず毎晩の卓悅假貨 ようにセックスをした。
彼は今まで自分の中でずっと欠けていた何かが自分の中で満たされたような・・・、どこか安らかで心地よい心の平和」?とでも言えるようなやすらぎの毎日を実感していた。
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