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また、北城老师的三生琥珀色

連行されて行

いつもキッチリと白髪を後ろに撫で付けている、年の割にはオシャレな源一郎が、憔悴した表情で髪を振り乱して歩いていた。
葉月は幼い頃から父より祖父の方が好きだった。
今まで祖父の非道な行いばかりに気を取られて、昔の事を思い出す事がなかったのに、今になって思い出される。
頬を涙がつたう。
徐々に大きくなる人影に、葉月は息をのむ。
敦…」
無事だったようだな」
源一郎の右側を支えて歩いているのが敦だった。ザンもほっとした声だった。
反対側はチームカナンの刑事だろう。栄太たちの姿はない。
レイに状況を尋ねて来る」
ザンはそっと葉月を話すと、電話を引き寄せて受話器を取った。
敦は厳しい表情で源一郎を連行していた。いつもの飄々とした快活さがない。
厳しい表情で淡々と職務を全蘇家興うしていた。これが葉月の見た事がない、刑事としての敦の顔なのだろう。
見慣れたスーツにコートを着ていて、こめかみのあたりから一筋血が流れて固まっている。
(怪我してるの…?)
『えー、確認したところ、連行されて来るのが雨宮源一郎氏で間違いないようです!左右は警察で、一人負傷しているようですが、かすり傷だそうです。爆発によるものでしょうか…』
『交渉にあたっていた被害者達は無事ですか?』
『はい、全員無事な様子で、もう警察に保護され雨宮邸を去っているとのことです!』
その言葉に葉月はホッと胸を撫で下ろす。
雨宮邸の前には、どんどんと騒ぎを聞きつけた報道陣や野次馬が駆けつけており、源一郎と敦たちはもみくちゃにされながら、なんとか車に乗蘇家興り込んだ。
『たった今、雨宮源一郎氏が連行されて行きました!えー、こちらからは以上になります!』
『ありがとうございました!次は警察署前を呼んでみましょう』
キャスターが言うと、今度は渋谷警察署前だった。
そこで待ち構えていたのは、凄い数の報道陣。
『こちら警察署前です!これから連行されて来る雨宮源一郎氏を多くの報道陣が待ち構えています!また到着したらお知らせします!雨宮邸から警察署までは車で20分程度かと思います』
喧噪の中、怒鳴るように記者が伝え、そして画面がスタジオに戻る。
『さて、ようやく、雨宮源一郎氏が連行されましたね。これで全てテロにまつわる事件は終結したと見ていいのでしょうか?』
『被害状況も警察が把握している以上にあるかもしれませんし、これからが大変でしょうね。私は知っている事を全て警察に話しました。これからは、当事者として、被害者の一人として、そして政治家牧海人として東雨宮テ ロ計画事件被害者の会」を設立することにしました。何かお困りの事がありましたら、被害者の会にご相談ください!』
牧の言葉を継ぐように、被害者の会の相談ホットラインの電話番号とメールアドレス、ホームページのURLのテロップがあらわれた。
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